2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「コドモのコドモ (1) (ACTION COMICS)」 さそうあきら

小5の少女が妊娠し出産する、という話をメインに据えて、女子高生の中絶や若い女教師が性教育に苦悩する様、産婦人科医の日常などを絡めて描いている。「放浪息子」をより生々しくした感じかな。 描写の重ね方であるとか、小学生の混沌っぷりであるとか、非…

「アフターダーク」 村上春樹

私と世界の関わりについて書かれたエリのパートと、私とあなたの関わりについて書かれたマリのパートが多少はクロスしつつ同時進行している、と思ったのだが、どうなんだろう。

「よくわかる現代魔法4―jini使い (集英社スーパーダッシュ文庫)」 桜坂洋

今回の主人公は嘉穂で、舞台は六本木ヒルズ。 語尾が2ちゃんなキャラだけに、そういうネタも豊富に入っている。 白いモビルスーツではなく、量産型のタコに魅かれる、という話が個人的にフックであった。 あとがきの後にすごい引きが待っていて、続きが気に…

「魔女 2 (2) (IKKI COMICS)」 五十嵐大介

テーマの水準では、この作品を読んだからと言って、デニーズ的なアメニティ*1を捨てて、商店街的なアメニティ*1へと回帰する訳にも行かない。というかもっとラジカルに、作者みたく田舎暮らしをしよう、とまでは思えない。多少は自覚的に、ということに落ち…

「COMiC 新現実問題外増刊みたいな…」 大塚英志

喜久屋での平積みっぷりを見る限り、本誌は売れているのだろう。 大塚英志の描いたマンガである「トマト暗殺団」は比較的どうでもいいとして、本人が自分の作品解説をしているのはファンにとっては貴重な資料だろう。 あと「イイナ―Feel for love (上) (あす…

「ラス・マンチャス通信」 平山瑞穂

うーん、よく分からん。 物語としては、主人公が行く先々でキレてその場にいられなくなる、というだけ。最初から最後まで、成長しているようには思えない。途中がブツ切りになっていて、それが特に伏線になっている訳でもない…と思う。 この小説の面白さとい…

「知る辺の道 (バーズコミックス ガールズコレクション)」 紺野キタ

昨日、書店で購入しようとしたら置いていなかった。「幻影博覧会」の間に挟まっていた広告には書影がなかったので、発売が延期されたものとばかり思っていた。ところが、家に帰ってきて確認してみると、きちんと発売されている。で、今日になって同じ本屋に…

「ラスト・ブックマン」 とり・みき 田北鑑生

本に対するフェティシズム、とり・みきのギャグのキレ、共に素晴らしい。 にも関わらず、どうしてこんなにも絵に魅力を感じられないのか。コンピューターを導入して大失敗している例だと思う。

「幻影博覧会(1) (バーズコミックス)」 冬目景

大正時代の東京が舞台の探偵モノ。探偵は優男、助手は犬を連れた少女。 ミステリーの部分は、然程凝っているようには感じなかった。というかサプライズが無かった。個人的には「無限回廊」のように、真夜が前面に出る話が好きかな*1。 最後の引きは何なので…

「二十面相の娘 4 (MFコミックス)」 小原愼司

「避暑地にて」はドッペルゲンガーという怪異に対して、当事者が納得しやすい理由を提示する京極堂っぽい話。実は他に真相が…という辺りも似ている。そういう読み方をすると、「白髪の魔人」は塗仏だ、ということになる。

「ONE OUTS 13 (ヤングジャンプコミックス)」 甲斐谷忍

鼻くそをほぜる指がおかしい、というのは比較的どうでもいいこと。 この巻でも、やる気を出せば何かが出来る、という後の渡久地オーナー編に繋がる発想が出てきている。やる気を出す/出さないに関わらず、勝つ為のアイデアを考えるのがこの作品であって、文…

「プ~ねこ (アフタヌーンKC)」 北道正幸

誌面改変のアオリをくって、打ち切られてしまった「ぽちょむきん」以来の単行本。 その後、描かれた短編なども収録なので、「ぽちょむきん」の単行本は当分出版されそうにない。最終話は「上下左右」みたく、レター判でしかできないネタであったので、この本…

「おおきく振りかぶって (3)」 ひぐちアサ

細かい野球描写が上手いなぁ、と常々感心していた。3巻のオマケによると、作者はソフトボール経験者で、かなり力を入れて取材もしているらしい。 今回リアルだ、と感じたのは阿部の青痣。キャッチャーは後ろにボールを逸らしてはいけないから、全身が打ち身…

今週のマガジン

「クニミツの政」で医療編が終了。いくらなんでも非道すぎると思う。 こちらにいいことが書かれていたのでリンク。 少し補足してみると、国試を難しくした所で、一説に5-10年で2倍に増えるとも言われる医学知識に対しては意味がない*1。知識をupdateし続…

「クレシェンド」 竹本健治

主人公はゲーム会社勤務のサラリーマン。あるときビルの地下で幻覚を見る。その原因を探っていくうちに、日本語の謎を追うことになり…。 「風刃迷宮 (カッパ・ノベルス)」みたく、最後に一寸肩透かし。日本語の謎は物語化されず、ひっくり返されたままで、薀…

「空の謳 天野こずえ短編集 2  ブレイドコミックス マスターピースコレクション」 

どこかで見たことあるような話を少しひねった様な話が多かった。「空の謳」と「アース」はなんか藤崎竜の短編集にでてきそうなSF。 絵は中々こなれているけど、キャラの顔がコロコロ変わる。 「アース」に出てくる「有害な宇宙物質」に「感染」するという言…

「こわしや我聞 4 (少年サンデーコミックス)」 

本編の新キャラだけでなく、おまけマンガ「征け!!会長さんVS 女子卓球部編。」にまでメガネが登場。このままいくと、作者がロフトの「委員長」に出演する日も遠くは無い筈。 バトルシーンにおいて、敵は科学でfeelを我聞は仙術でthinkを優先させて戦う、とい…

「エキサイトな事件」 とり・みき おおひなたごう

昨年末の帰省途中に、池袋へ出向いて購入。 年末に「今年の10大ニュース」を読んで、そういえばこういうこともあったなぁ、と回顧するような感覚の作品が多かった。時事ネタというものはスピードが命だろうと思う。ギャグに関しては、とり・みきはそれなりで…

「からくりアンモラル (SFシリーズ Jコレクション)」 森奈津子

森奈津子にしては、驚くアイディアもなく、おとなしめの短編集であると感じた。もしかすると、私が慣れてしまったからなのかもしれない。 この方向で更なる面白さを追求するなら、より性描写がマニアックになるか、まだ使っていないSFガジェットを持ち込むか…

「カンフーハッスル」を見て、日本マンガを読み取るか、クンフー映画を読み取るか、武侠小説を読み取るか、という差はその人の記憶がものを言う。これが評価の差になっているのだろう。 逆に言うと、チャウ・シンチーがタランティーノみたく、自分の趣味を投…

「のだめカンタービレ(11) (KC KISS)」 二ノ宮知子

交互に試練が出てくるのは変わらず。 今回、一番笑えたのはひじき。昔、ワカメで同じ様なことをやったことがある。 プロは皆アナリーゼをやっているのだろうか。

「血だるま剣法・おのれらに告ぐ」 平田弘史

これを差別助長マンガとして読むのは、流石にリテラシーに欠ける気がする。解説にある通り、テーマは「差別に対する怒り」である。 「戦争とてえま」な読み方をすると、主人公の怨念の描き方が秀逸だ、ということになる。

「ふたごのプラネテス (モーニングKCピース)」

ファンアイテム。プラネテスの回想のお伴に最適。以下メモ ・ナレーションが小林恭治なのは、70年代のNHK科学番組でナレーションをしていたことが理由らしい。 ・谷口監督の当初の構想では、ハチマキとタナベは死ぬ予定だったらしい。周りのスタッフから止め…

「ミナミノミナミノ (電撃文庫)」 秋山瑞人

「ネオランガ」かと思いきや、「七夕の国」だった*1。春留は「窓の外」へ、というラストは勘弁である。 夏休み描写も「イリヤ」以上に、凶悪なまでに上手くなっていると思う。 これからどう「イリヤ」と差を出していくのか、ということも含めて、次が楽しみ。…

「よくわかる現代魔法(3)―ゴーストスクリプト・フォー・ウィザーズ (集英社スーパーダッシュ文庫)」 桜坂洋

主役は弓子ではなく、かたまりである(多分)。勝手に猫SFに認定。 こういう形でタイムトラベルをやってしまうか、と感心させられた。確かに、これならパラドックスは解決される。 2巻では、先日わざわざ「雲のむこう」を見に行ったおかげで、渋谷に関する…

「よくわかる現代魔法―ガーベージコレクター (集英社スーパーダッシュ文庫)」 桜坂洋

美鎖の過去をからめて、記憶についてのあれこれ。 1巻は説明描写が多かったように感じたのだが、2巻は大分こなれてきている。

「よくわかる現代魔法 (集英社スーパーダッシュ文庫)」 桜坂洋

SEはこんなに大変な仕事なのか。うつ病が多いというのも納得である。 この人の作品は「人を殺し」た方が面白い。

「π 7 (ビッグコミックス)」 古屋兎丸

やりたいことは分からんでもないが、どうもつまらない。惰性で買い続けて来たが、そろそろ切ろうかな。 裏AOBAの編集長はビームの編集長だと思う。

「金魚屋古書店 1 (IKKI COMICS)」 芳崎せいむ

前作同様に、元になったマンガで読んでいるものが余りに少ないので、そこを楽しむことは出来なかった。 ストーリーは結構ありがちだけれど、作品に対する愛と本に対するフェティシズムに溢れているからいいのである。ビニールがけ万歳。

「藤子不二雄論―FとAの方程式」 米沢嘉博

二項対立で語る藤子不二雄論。二人の資質の違いが、やがてコンビ解消に行き着くまでの考察は興味深かった。 Fは何を語るかを、Aはどう語るかを志向する。世界に相対するときに、世界を変えるか、それとも自分を変えるのか、という問に対する答えは、Aにと…