「ラス・マンチャス通信」 平山瑞穂

うーん、よく分からん。
物語としては、主人公が行く先々でキレてその場にいられなくなる、というだけ。最初から最後まで、成長しているようには思えない。途中がブツ切りになっていて、それが特に伏線になっている訳でもない…と思う。
この小説の面白さというのは、場面場面に出てくるジャム豆腐だとかゴッチャリだとかいった風変わりなモノだったり、少々ネジのゆるんだキャラにあるのだろう、とは思う。
とはいえ、まさに「正体不明の肌触り」なのである。読んで面白かった、というのは確かなのだが、どうもそれを説明しづらい。カフカは「毒虫」しか読んだことないし、マルケスは全くの未読だからなのか?
人の感想が気になる作品である。
個人的には「無毛の覇者」の本田千鶴子風味が良かったかも。あと、初期の諸星大二郎の短編に近いものがあるのかもしれない。