我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医の無罪を信じ支援します。
 解説は敢えてしません。興味があればこのへんから辿ってみて下さい。
 私の場合、一年前に想定していたよりは恵まれた環境で働けています。
 一年で学んだことは、中途半端なIT化は業務を著しく遅滞させるという事実でした。
 一方で新聞が代表するとされるところの世論についてこの一年を振り返るなら、ようやく医療資源が有限であるということに気付いてきたとも言えるでしょうか。
 この先どう転んでも、誰もが今と同じかそれ以上の水準の医療を受けられるという環境はなくなるんでしょう。そんなときに私が過労死してなくて、この文章を読む皆さんのQOLがそこそこであればいいなと思いつつ。

電脳コイル

ひきこもって全話を通して見た。軽く感想でも。
まずは「電脳空間」が出てくるのであるから、サイバーパンクの系譜に入れてしまっていいだろう。
特筆すべきは「日常と地続き」であることをしっかり描写していた点である。
そのキーアイテムがメガネ。
説明するよりは、絵で見ると早いと思う。

 『電脳コイル 第1話』より


 『Serial experiments lain 第7話』より
 限られたジャンキーのためのものから、普通の小学生のものへと「電脳」がいかに身近になってきたかを感じられる。
 また、「電脳空間」そのものの描写も面白かった。現実とつながっている部分はすべてテクスチャであり、2次元になっている。あくまで監視カメラによって撮影されることで存在し続ける空間。サッチーが攻撃されてフリーズしてしまっている瞬間の描写や、しつような壁の描写がそれを表しているだろう*1
 そして、下記のようにきれいにリンクしている。

現実世界を覆うテクスチャ=電脳-イマーゴ-集合的無意識(「細い道」)-各人の心-「痛み」-身体性

 触覚はなくとも痛覚という皮膚感覚によってデンスケの実在を感じられるわけで。
 まぁ、「ふさふさだったんだね」にやられただけとも言う。

*1:中身はからっぽ

閉館二時間前

永徳の作風は初期の細画と後期の大画に分かれていて、唐獅子とか松は大画に属する。
屏風になっているこれらのドデカイ絵が、実は更に大きな壁画の一部だったとは知らなかった。原寸大で残ってるものはないんだろうか。帰ったら調べてみよう。
にしても、秋の観光シーズンの京都を舐めてはいけませんね。バスに乗るだけで一苦労。

小さな世界 (バーズコミックススペシャル)

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かげふみさん 1 (バーズコミックス)

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私らの出会いは!?
単に同じクラス
生年月日に血液型
バラバラ
前世に出会った記憶は!?
ぜんぜんないない
というわけっす お互いの運命の相手探しましょう!
ムリです!!

 久々にマンガの感想でも。
 小路啓之、もしくは犬塚康生は数多くの新人賞をとった人。

「殺しのライセンス」
 モーニング 1997年12.10号(ちばてつや賞準大賞)
「カゲ切り男をめぐる冒険」
 アフタヌーン 1998年11月号(四季賞谷口シロー特別賞)
「ファミリービジネス」
 オースーパージャンプ 1999年05/05号(SJ漫画大賞佳作)
イレイザー・ヘッド」
 オースーパージャンプ 2000年04/25号(SJ漫画大賞佳作)
SWEET16
 スーパージャンプ 1999年12/08号(SJ漫画大賞準入選)
「キャンディ・ドール」
 スーパージャンプ 2001年12/12 No.24(犬塚康生)
ブーゲンビリア
 スーパージャンプ 2002年01/23 No.03(SJ漫画大賞佳作、犬塚康生)

 初めての連載は、「アフタヌーン」で『イハーブの生活』という打ち切られた作品だった。その後も2006年に「コミックバンチ」の「第3回ワールドMANGAエンタテインメントカップ」を「ドレミとソレミ」で受賞している。
 ずっとお山の大将的ポジショニングをとり続けて消えてしまったのかと思っていたら、いつの間にやら「WebコミックGENZO」にて連載をしていたのだった。単行本を書店で見た時には、随分と絵柄が変わっていたものだから、同一人物かと携帯で調べてしまった。
 『ヤンデレ大全 (INFOREST MOOK Animeted Angels MANIA)』などという本が出るご時世をずいぶんと先取りしていた、「愛してるって言わなきゃ殺す」話を描かすと上手い人。どうしてここまで強迫観念にかられて交換不可能性を追うのかと言いたくなるくらい、同じ話ばかりである。
 「運命」、「千兆分の一の確率」、「一緒に死んでみない」、「フライパンで撲殺」etc.の単語に反応した方は、『かげふみさん』からどうぞ。