電脳コイル
ひきこもって全話を通して見た。軽く感想でも。
まずは「電脳空間」が出てくるのであるから、サイバーパンクの系譜に入れてしまっていいだろう。
特筆すべきは「日常と地続き」であることをしっかり描写していた点である。
そのキーアイテムがメガネ。
説明するよりは、絵で見ると早いと思う。
『電脳コイル 第1話』より
『Serial experiments lain 第7話』より
限られたジャンキーのためのものから、普通の小学生のものへと「電脳」がいかに身近になってきたかを感じられる。
また、「電脳空間」そのものの描写も面白かった。現実とつながっている部分はすべてテクスチャであり、2次元になっている。あくまで監視カメラによって撮影されることで存在し続ける空間。サッチーが攻撃されてフリーズしてしまっている瞬間の描写や、しつような壁の描写がそれを表しているだろう*1。
そして、下記のようにきれいにリンクしている。
現実世界を覆うテクスチャ=電脳-イマーゴ-集合的無意識(「細い道」)-各人の心-「痛み」-身体性
触覚はなくとも痛覚という皮膚感覚によってデンスケの実在を感じられるわけで。
まぁ、「ふさふさだったんだね」にやられただけとも言う。
*1:中身はからっぽ