評論

分類の発想―思考のルールをつくる (朝日選書)作者: 中尾佐助出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 1990/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (11件) を見る 何かある分類が提出されると、それが最善最高のように感じて、それに固…

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門作者: 永山薫出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2006/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 27人 クリック: 10,958回この商品を含むブログ (108件) を見る ロリコン漫画読者の99%以上…

あしたのジョーの方程式作者: 島本和彦,ササキバラ・ゴウ出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2006/09/14メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 16回この商品を含むブログ (40件) を見る 島本和彦による『あしたのジョー』論。「燃え」る方向というより…

乱れ殺法SF控―SFという暴力 (SFシリーズ)作者: 水鏡子出版社/メーカー: 青心社発売日: 1991/08メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 64回この商品を含むブログ (3件) を見るこの夏見つけた唯一の掘り出し物。 よくよく考えてみると、「SFとは」なんて大上段に…

マンガ原稿料はなぜ安いのか?―竹熊漫談作者: 竹熊健太郎出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2004/02/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 82回この商品を含むブログ (47件) を見るもうすぐ『サルまん』の新装版が出るからというわ…

決定版 失敗学の法則 (文春文庫)作者: 畑村洋太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/06/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (25件) を見る本書の主旨を一言で表すとこうなる。 「責任追及」よりも「原因究明」 あとはもう少…

ゴシックハート作者: 高原英理出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/09/14メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 51回この商品を含むブログ (65件) を見る「著者の好きなもの=ゴシック」という定義でもって、「人外」「様式美」「猟奇」といったモチーフごと…

ベストセラーの読まれ方―イギリス16世紀から20世紀へ (NHKブックス)作者: 香内三郎出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 1991/09メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見るイギリスにおける「小説」の読まれ方の歴史について。 …

マンガは欲望する作者: ヨコタ・村上孝之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/07メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (11件) を見るマンガの持つ記号性/リアリズム、芸術性/大衆性、内言/外言、2D/3Dといった二項対立を脱構築する試み。…

初心者のための「文学」作者: 大塚英志,七字由布出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/06/30メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (23件) を見る「文学」と呼ばれる作品群を読み直すことで、現在の「おたく」表現との境界線をとっぱらおう…

『澁澤龍彦 (新潮日本文学アルバム 54)』

私にとっては相対化の方向に働く本なのだが、まぁこんなもの。

『古い医術について―他八篇 (岩波文庫 青 901-1)』

病態学がメインで、治療にはあまり踏み込んでいない。栄養の重要性については説かれている。 疑似科学への対処法や、文献研究の重要性など現代に通じる所もある。 何よりも面白かったのが、仮定を用いた方法として、ギリシアにおける八綱弁証のようなものを…

『医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か』

アマゾンと、県内で在庫No1の書店と、いつも利用している本屋で売り切れだった*1。 最近気になっていた、医療事故とマスコミにおける医療イメージの失墜についてずばりまとめてあり、更に改革の提言を行っている。 医師による医療行為と暴力団の殺傷行為は法…

『現代SF1500冊 回天編 1996‐2005』

太字で書かれたタイトルを拾っていき、読んだことのある本/元から興味があった本についてはその解説を読んで、後は年ごとのまとめを読んだだけ。 これだけ大量に読めるのは、素直にうらやましい。

『健康帝国ナチス』

ナチス政権下のドイツでの健康政策についてのあれやこれ。 ドイツ民族の生産能力と生殖能力の向上を求めたナチス*1と、当時「世界一イイィィィ!」 だったドイツ医学がいかにして、「健康増進」もしくは、がん予防に取り組んだかということが書かれている。 …

『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか (角川oneテーマ21)』大塚英志 大澤信亮

前半の三分の二は、大塚の考える戦前まで遡った上での「まんが史」(+若干のアニメ史)。 私なりに要約すると、アメリカから「キャラ」を輸入して始まったのが日本のマンガ・アニメであって、そもそもフェイクとして存在している。ただし、その中に「キャラク…

「文人悪食 (新潮文庫)」嵐山光三郎

37人の「文学者」と呼ばれる人達の食欲と性欲の話である。 どいつもこいつもろくでなしであって、作品から想像していた作者のイメージがかなり変わった人もいる。太宰治が実は帰ってこなかったメロスだった、とか、宮澤賢治の「一日ニ玄米四合」は多すぎる、…

「マンガは今どうなっておるのか?」夏目房之介

連載されているコミックパークの方は一通り読んでいたのに、買ってしまった。 そうは言っても、書き下ろしは結構充実している。いしかわじゅんの「ヘタ」発言からマンガの評価方法としての、「うまい/ヘタ」「イイ/悪い」「好き/嫌い」のへと繋げる「マンガ…

「二次元美少女論―オタクの女神創造史」吉田正高

んで、タイムリーに読んだ本。 甲胄、メカ、パイロット、格闘、等々の項目に分けて、著者のコレクションを提示している。主な対象となる時代は80年代から、90年代末くらいまである。年代を経るごとに充実度が下がるのは、筆者の年齢*1によるものだろう。 こ…

「数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために」ゲルト・ギーゲレンツァー

リスクを考える際には、自然頻度で考えろ。その思考形態を身に付けるには、我々の開発した学習プログラムを使え。というだけのことを言う為に、324ページもかけている。 でも、以下の問題が解けるなら、そんな学習プログラムは不要。 40歳の女性が、乳癌にか…

「カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)」鈴木謙介

再帰的な自己とか、カーニバルとデータベースの往復とか、言われてみると自分によく当てはまっていると感じた。 小学生向けなのに、とか少年誌で、とか大人買い、といったマンガでの「祭り」がネットを媒介してちょくちょく見受けられる。本書に則れば、その…

「医者見立て江戸の好色 (河出文庫)」 田野辺富蔵

これを書いた時点で、御年81歳!の筆者が江戸時代のことをからめつつ、延々と艶っぽい薀蓄を傾ける。 一行知識が好きな人向けだろう。 特に印象に残ったのは、梅毒で死んだニーチェの言葉として引用されている、 "Mann liebt das weib nur die vulva willen."…

「批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)」 廣野由美子

前半は小説技法の話で、後半は批評理論の話。「フランケンシュタイン」を具体例として「読みの技法」の解説をしている。 後半は「文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)」で読んだことのある内容で、前半も大概無意識のうちに読む際に行っていることな訳で、そ…

「感じない男 (ちくま新書)」 森岡正博

男の「不感症」と「自己否定」という概念を著者自身の体験を元に提唱し、そこからフェチやロリコンといったセクシャリティを説明している。更に、最終章では「不感症」と「自己否定」を抱えているにも関わらず、それを否定する男を「感じない男」と呼び、そ…

「腸は考える (岩波新書)」 藤田恒夫

「コラジェン」の人*1。CBTの逃避に積読解消。 消化管ホルモン発見の歴史+プロジェクトX*2である。 ヒドラの研究から、進化の途中でニューロンは腸でできて、上へと増えていって脳になった、ということが解明された下りは知らなかった。 *1:ISBN:4260100475…

「マンガで読む「涙」の構造 (生活人新書)」 米澤嘉博

「泣ける」マンガを手塚治虫から始めて、最近の作品まで歴史としてまとめている。 スタイルとしてはタイトルを挙げて、ストーリー紹介、そして筆者によるコメントと続く。コメントには吃驚する様なことが書いてある訳ではないが、挙げられた冊数に脱帽である…

「藤子不二雄論―FとAの方程式」 米沢嘉博

二項対立で語る藤子不二雄論。二人の資質の違いが、やがてコンビ解消に行き着くまでの考察は興味深かった。 Fは何を語るかを、Aはどう語るかを志向する。世界に相対するときに、世界を変えるか、それとも自分を変えるのか、という問に対する答えは、Aにと…

「とは何か (ちくま新書)」 大塚英志

「北神伝綺」の元ネタとなった柳田國男等の民俗学関連の「薀蓄集」。

「物語消滅論―キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」 (角川oneテーマ21)」 大塚英志

「ライトノベルズ」ではなく、新しい「近代文学」を、ということか? 「多重人格探偵サイコ〈No.1〉情緒的な死と再生 (角川スニーカー文庫)」読んでても、まっとうなオタクになりますよ、というCASE REPORTが1件ここにいます。

「ライトノベル☆めった斬り!」 大森望 三村美衣

二人の経験からライトノベルの歴史を語る対談とブックガイド100本。 90年代半ばまでは知らない固有名詞(特にタイトル)ばかりで、ふぅーんと言いつつ適当に流し読み。単なるデータとしての歴史ならもっと網羅的なものがwikiとかでありそう。しかし、全体的…