落合博満の超野球学②」 著:落合博満 isbn:4583037910
監督になった筈なのに、原稿に手を入れる暇はあったんだなあ。
以前出た本の続編。基本的に週刊ベースボールの連載そのままである。
技術論に関して言うと、①の方で書いてあったことに付け加えたことは少なくて、むしろ打者と投手の心理についての実体験を踏まえた考察が興味深かった。自身の成績の自慢についてはどうでもいい。
あと、今球界に蔓延している「軸足回転」について、つっこんであるとこは、成る程である。
結局のところ、打つ時に軸足を意識することと、実際のバッティングで、回転する軸がキャッチャー側の足であるということは違うのだと思う。(後者はマチガイ)
つまり、何か動作をするときに「意識すること」と、「その結果起こる動作」とは異なっているのである。
そして、そのあたりを誤解した松井が失敗したと。
おそらくこの「軸足」の話は田淵と手塚の「うねり打法」のことだろうと思う。手塚一志の昔の本は、基本的に結果起こる動作の方を書いてあったわけで、それをそのまま「意識」しても普通は上手くいかないのだ、ということになるだろう。つうか書いた本人もそういっている。
脳の意識する「ホムンクスル」と実際の物理的な身体の動きの差を埋めること、これがスポーツで上達する秘訣だと思う。