絵で読む「ルミナス」

 http://d.hatena.ne.jp/youkiti/20061220#p1の続き。
 これも既に読んだ人向け。ネタバレです。
 あえて、あらすじは書かないが、ルミナスが出てきてからの私の脳内イメージは以下のようなものだった。








 で、これがイーガンの小説というより、SF全般を読むこととどう繋がるのかについて書きたいと思う。
 最初の状態。

 科学の力を借りることで、現実と地続きにある何かが見えてくる。

 そして、その全貌が見えたとき、センスオブワンダーな感情が芽生える。

 多分、この「全貌」が見えるというところがポイント。中身は分からなくても、まずは外枠を認識することが重要なんである。ある程度SFを読んでいると、この輪郭線をおぼろげながらでも既に持っている。すると、この作業が楽になる。逆に、この手の小説を読み慣れていないと、その輪郭を決めることができず、サッパリ分からないということになってしまう。

 この仮説に従うと、だいたいこんなものなのだという枠組みを伝えることができたなら、何回かクッションを置くにしても、『涼宮ハルヒ』から『ディアスポラ』へと「架橋」することは可能だろうというのが結論*1。つまり、千冊読まなくてもなんとかなるんじゃないかな〜と。
 そうして読んだ上で、この境界線の中に何があるのかを考えたり話したりすることがさらなる楽しみとしてあるんだと思う。

*1:もちろん本を読みたいという「好奇心」が前提になるわけですが……