オタクの生態

  • オタクは多島海南部のローク、エンスマー、ポティ、ワトホートの四つの島にしか見られない動物で、からだが小さいわりには横に広い顔と鋭く光る大きな目を持ち、全身はこげ茶かぶちの光沢のある毛で覆われている。鋭い牙があって、獰猛だから、人間のペットになることはめったにない。オタクはまた吠えも、鳴きもしない。もともと、声というものを持たない動物なのだ。
  • オタクは精霊の化身で、それが○○の耳に知恵を吹き込んでいる
  • 「オ、タ、ク。」ふたりのやりとりを聞いていた別の男が言った。「そいつぁ、犬なんかじゃない。オタクってんだ。」
  • 門を五、六歩出たところに、何か黒いものが半分雪にうずもれて落ちているのに気がついた。彼はかがんで、そっと両手にひろいあげた。オタクだった。美しかった毛皮には血がこびりつき、小さなからだは冷たく硬直していて、軽かった。
  • こわい動物で、オタクとかいう

ゲド戦記 1 影との戦い (ソフトカバー版)』より(一部改変)