「マンガの読み方」 別冊宝島EX
95年に出た、夏目房之介竹熊健太郎らによるムック。
マンガ評論の為の言葉を作ることを目的としており、形喩、音喩、吹きだし、間白、背景、コマなどマンガの構成要素を個別に取り出して、解説を加えるという形をとっている。特にコマについての章は、「夏目の目」の方法論として読むことが出来ると思う。
マンガについて何か語ろうとする際には、どうしてもその物語の側面ばかりに目が行きがちである。それはマンガというものが物語伝達メディアだからだ。ということもあると思うが、物語以外の部分を語る言葉が少ないことも影響していると思われる。それゆえ、この様な試みは非常に興味深い。
しかし、文字を使ってのマンガ技術評論で、この後に続いたものと言えば、菅野博之ぐらいしか思い浮かばない。
読者は編集者ではないから、「ネームを見る」必要はないのかもしれないけれど、他にも読んでみたいものである。