「日本の童貞」著:渋谷知美 文春文庫
日本の童貞に関する言説を雑誌記事などを元にまとめた本。
戦前は肯定的に捉えられていた童貞という言葉が、戦後になって悪いことになったのは、女性の視線による男性評価が広まったからだという指摘は面白かった。
戦前の拒婚同盟の根拠となった花柳病、つまりSTDは科学的根拠があるにしても、
現在の童貞蔑視の助けとなっているのが、「心理学」による童貞の「病理化」なわけで、その辺りの「社会の心理学化」もつっこんでみるとよさげである。
一言でいうなら根拠がない、ということだと思うが。