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セロトニン欠乏脳」著:有田秀穂 NHK出版 生活人新書
書店で、見かけて立ち読み。
ぱっと見では、「ゲーム脳の恐怖」の二番煎じで、本が出てるなあという印象。
しかも、NHK出版だぞと。
ざっと目を通しただけなのではあるが、
1.動物実験では、セロトニンが欠乏すると、パニック障害等が起きる。
2.人間では、噛むことや、歩くことなどの、反復動作を行わないとセロトニンが欠乏する。
3.家でゲームばかりやっている人間は、余り噛まないし、歩かないから、セロトニンが欠乏しているだろう。
4.それゆえひきこもりはキレやすい。
といった感じで、論を組み立てていた。

確か本文中に、これは科学論文ではないといったことを書いてあったような気もするが、何度も繰り返される型式で反論すると、いくらなんでも科学的に杜撰過ぎるであろう。
動物の結果をそのまま人間にもってくるとか、印象のみの判断を行うとか、科学者として有るまじき態度である。
さらに付け加えると、「ゲーム脳」を所与の結論として持ち出してくるとか呆れてものが言えない。
ここまでやられると要は、「セロトニン呼吸法」のプロモーションとして、この本を出したのねと勘ぐりたくなる。
さしあたって、ランダムに選んだ対象を相手にfMRIを使って、縫線核に萎縮があるのかぐらい実験してから本書けよと言いたい。
勿論それが即キレることに繋がるかどうかは、全くの不明であるのだが。
おそらく、細かな反論は、斉藤環氏や山本弘氏が今回もやるだろうから、それを待とうと思う。
だいたい、ガムを噛んでもいいのなら、ビジュアルノベルで左クリック連打でもいいではないか。