秒速5センチメートル

一週間前から発売のトークショーのチケットなんて買えるわけがない、といつもの法界悋気を巻き散らしつつ坂を登った。
私的には、『ほしのこえ』は一人で作った作品、『雲の向こう、約束の場所』は相変わらず綺麗な背景の作品であったが、本作で新海誠は間違いなく化けたと思う。
最初に来年も桜を見ようという台詞を電車が引き裂く所から始まって、舞い散る桜と雪、太陽系の外へ飛び出すロケット、その他テーマソングも含めた全てのイメージが「1cmも縮まらない二人の距離」を描きだすことに奉仕し、成功している。
見ていて、ファーストコンタクト(コミュニケーション)の失敗について徹底的に書き続けたレムを思い出した。
DVDでもう一回見たい。