憂鬱
ゲームの話。
最も合理的な判断はサイコロをふらないこと。つまり、ゲームをしないってことだろう*1。
プロ野球の話。
普通の選手だったら怒って席を立つ。ちなみに昨年の最高出塁率は松中信彦で .453 *2。
医療の話。
この場合、てんびんのマイナスの皿に乗るのは事故が起こったときの賠償金だけではない。たとえ不可避の死亡であったとしても、「弱者保護」の観点から出される判決=ミスでなくとも「悪い」という認定。マスコミの増幅する医療という社会保障への不信感。加えて「1か月間休みを取らずに働いている勤務医が3割近くいる」という過密な労働。結果として、病院で勤務する中堅どころの医師がいなくなるという現象=「立ち去り型サボタージュ」=「逃散」が起こっている*3。
いま最も顕著なのは産科。例えばこういう例。3.にもある通り、救急を担う病院で救急ができなくなってきている。これは上でも述べたが、病院に医師がいないという現状、加えて最高の設備と最高のスタッフがそろった病院でないのに受け入れたのが悪いという諸判例への順法精神の表れである。「たらい回し」とマスコミに呼ばれる状況が生まれるのは、病院の怠慢ではなく、患者へ投入できるリソースが充分にない*4からなのだ。
そして、分娩を止めた病院をマップ化するとこうなる(重いので注意)。ポイントが日本全国に広がるさまは燎原の火のごときである。
国はどういう公式見解なのかというと、「少子化の反映」なんだそうである。「効率化、ネットワーク化」が何を意味するのかは知らないが、その結果、産む「機会」に産める場所が遠くなるという隠岐のような状況は、子供を作ることへのネガティブな判断材料となりはしないのだろうか?同時進行である小児科の崩壊もそれに拍車をかけるのではないか?
このままの状況が続けば、次は脳外科で交通事故やくも膜下出血になってもどうにもなくなり、それが他の科へも飛び火するころには「救急病院の外来待ち時間を最大16 時間以内にする」という通達が出る、つまりそれ以上待たされることが常態化しているイギリス型医療の一丁出来上がりであると予想されている。
だから、医療に湯水のごとく金をつぎ込むべきである、とも断言できなくて、これはWE法案の時の議論に繋がる。
国内に資源がないから海外とのつながりの中で貿易を行わなければ産業が成り立たない日本にあって、人件費の安い他の国との競争をどう行うのかという話。私は経済のことにはうといんで、正直どう判断すべきなのか分からない*5。
つまり、行き着く先は搾取され続けるだけで、そこから抜け出せない『ダーウィンの悪夢』状態なんですよ、と言われるたら反論するだけの材料はない。
結論としては、いろいろと大変な現状と将来じゃないのかな、かな?