今年の個人的ベスト5

 年末だし回顧してみる。
 今年も未消化な読みたい本、見たい映画が多い一年だった。
 冬の時代に育ったものだから、それが価値判断の基準になっていることは否定できないが、SF的には豊作の年だったように思う。
 邦画では『時をかける少女』『日本沈没』『ゲド戦記』の夏の映画三本立があったし、個人的には『日本以外全部沈没』と『パプリカ』を合わせて筒井康隆の小説が三本も映画化されたと年として記憶に残るだろう。
 洋画では『プライマー』という傑作があり、『トゥモロー・ワールド』や『ウルトラヴァイオレット』も魅せてくれた。
 小説ではイーガンの新作が無事出版され、シモンズの新作も出た。河出書房の「奇想コレクション」、国書刊行会の「未来の文学」、早川の「異色作家短編集」といった所もあいかわらず好調*1。日本に目を移しても「Jコレクション」も粒ぞろい。『グラン・バカンス』と『冬至草』はすばらしかった。
 テレビアニメでも『ノエイン』『ゼーガペイン』という佳作が出たし、『涼宮ハルヒの憂鬱』のヒットだって、「長門雪希の百冊」経由でSF読者数が増えたんじゃないかと思う。年末に『マルドゥック・スクランブル』の製作中止というニュースが入ってきてがっかりたが、GONZOの経営状態だとしょうがないか。
 前置きはこれくらいにしてベスト5。→の先は私の感想。

  • 映画

 分母が少ないから邦画も洋画もごちゃまぜで。

 新しい映画を見る代わりに、もう一回見たいと思わせる映画はなかなか存在しない。これはその数少ない例外。

    • 『ゆれる』

 香川照之の演技がすばらしすぎた。

  • 小説

 全然読めなかったなぁ。

  • テレビアニメ

 これまた分母が少ない。継続視聴したものだけって気も。

 「是我痛」二頭筋オチは最初から用意されていた。

 多世界解釈

 『アリーテ姫』の監督がこんなことに。

 現象も含めて楽しんだ。現在進行形だったりもする。

 二期に入ってからのはっちゃけかたに。

  • マンガ

 こんなに読んでいたっけと、逆の意味で驚いた。どうせなので、賞をもらっていたり売れ線だったりするのは外したが、10冊にしかしぼれなかった。

 アニメ化も決まって絶好調。

 マンガにしかできない表現がここにある。

 コマの密度がいい。

 エウレカセブンってこんなに面白かったっけ?

 変。

 今年一番のプロデビューかも。

 これも生き様。

 この人は週刊連載に向かないと思う。

 転換点。

 本はいいねえ。

*1:全く読めていない……