逃避

先週から見ている『アヤカシ』と『ギアス』のキャラの差について考えてみた。
どうも、私は『アヤカシ』のキャラが変だと感じる。その理由付けである。

まずは、OPの絵2枚を見てもらおう。

一見すると影の表現方法が違う。『アヤカシ』の方では、塗っただけの影だけではなく、劇画っぽい線が含まれている。
参考→劇画入門|さいとう・プロダクション公式サイト
そして目の大きさが違う。その目を拡大してみると下のようになる。

アヤカシの方には、明らかに光が当たっていない所も含めて星が3つ入っている。これは元々少女マンガの技法である。
参考→http://www.fukkan.com/images/item/23413544-1.gif
このように劇画と少女マンガの両方の特性を持っていることから、『アヤカシ』のキャラに対して私は奇妙な印象を持つのだと思う。
続いて、『アヤカシ』とキャラクターデザインが共通する『ウルフズレイン』のOPから。

こちらでは星は端に寄っていて、それほど奇異な感じはしない。おそらく、星が中心にあることが変だったのではないか。
似た例を思い出したので、晩年の手塚の作品から二つほど挙げる。元々の絵の特性から外れてでも、貪欲に劇画という流行を吸収しようとした努力の結果である。
http://ja-f.tezuka.co.jp/manga/sakuhin/_preview/m101.html
http://ja-f.tezuka.co.jp/manga/sakuhin/_preview/m109.html
これらからは古いという印象は受けても、おかしいという印象は受けない。いちおう差を指摘してみると星の数が『アヤカシ』に比べて少ない。

  • 結論

『アヤカシ』の絵を変に感じるのは、劇画と少女マンガの文法が融合せずに混ざっているから。

  • おまけ

『ギアス』のOPの最後から一つ前に入るカット(本当)