日本バーチャルリアリティ学会

http://www.vrsj.org/ac/2006/pub/openevent.php#SpecialLecture2
一般公開プログラムを見てきた。

以下はメモ。
タグ通りに紅茶に浸したマドレーヌであるから、その場にいなかった人にはあまり参考にならないかも。
間違い等あればご指摘ください。


  • VR学会の幽霊会員
  • 自身の活動について
    • いろいろなものをつないでいる。認知科学生命科学、技術、哲学など。
    • 今日は岩波で出す本とVRの関わりについて話す。
  • 定義

〈境界知〉とは境界を見出す知の力

コラボレーションの際の違和感

  • 違和感の例

1.このメロディは思い出しかけて思い出せない昔の歌
2.このメロディは思い出しかけて思い出せない昔を歌
3.三月は思い出しかけて思い出せない昔の歌
みみをすます (福音館の単行本)

ここに2種類の違和感が存在する。「機能語」と「内容語」の違い。
2.は機能語が、3.では内容語が違う。機能語は「テンプレート」なので、それから外れると違和感を生じる。3.の違和感は芸術ともとれる。

  • AI

考える脳 考えるコンピューター

考える脳 考えるコンピューター

AIに必要な「真の知能」は予測
岩波科学ライブラリー 予想脳 Predicting Brains (岩波科学ライブラリー (111))

岩波科学ライブラリー 予想脳 Predicting Brains (岩波科学ライブラリー (111))

テンプレートと照らしあわせること=予測

  • 普通と正常

だれか、ふつうを教えてくれ! (よりみちパン!セ)

だれか、ふつうを教えてくれ! (よりみちパン!セ)

全盲者が社会に溶け込むには?
野球でルールを変えた→面白くなかった
違和感を解消するのに(例えば)ルールを変えてみても、うまくいったり、いかなかったり。

  • 異質な知性への違和感

HAL(ハル)伝説―2001年コンピュータの夢と現実

HAL(ハル)伝説―2001年コンピュータの夢と現実

虚数 (文学の冒険シリーズ)

虚数 (文学の冒険シリーズ)

  • 再び定義

「違和」を感じる知=〈境界知〉

VRは違和感を消す。

  • 無意識について

暗黙知の次元 (ちくま学芸文庫)

暗黙知の次元 (ちくま学芸文庫)

    • change blindness
      • 写真AとB

   http://www.syntagm.co.uk/design/articles/cb.htm
   「意識下」では分からないけど、fMRI上では「分かって」いる

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

ミイラにダンスを踊らせて―メトロポリタン美術館の内幕

ミイラにダンスを踊らせて―メトロポリタン美術館の内幕

最初の2秒が勝負。
その理由→それまでの経験から省略できることを知っている。闇雲にチェックすればいいわけでない。
チェックリストは少ない方がいい。

  • 異文化コミュニケーションのW型曲線

旅行者→参加者↓→ショック期↓→適応期↑→帰国直前↑→帰国後↓→適応↑

  • 違和感を持つことのメリット・デメリット
    • 作家としての着眼点
    • 社会と溶け込めない

http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/060807comuni.html
100%伝わることはない。
ルールを互いに調節する。
→語用論

  • 違和感を相対化→溝を客観視→違和(wrongness)を異和(gap)に

http://www.salvastyle.com/images/collect/eyck_arnolfini_00.jpg

http://www.arttoheartweb.com/worshipresources/praises/pr_Savoldo_Sepulchre_files/image002.jpg

http://www.ne.jp/asahi/art/dorian/C/Caravaggio/Caravaggio.htm

  • 視点
    • 世界観と人工知能
    • 鳥瞰⇔俯瞰
    • 入り込む⇔上から覗く
    • ヒトは視点を変えられる
    • 小説でも臨場感⇔客観

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)

惑星ソラリス [DVD]

惑星ソラリス [DVD]

  • 不気味の谷
    • グラフの嘘?
      • コップドーナツと皿が関係ないように、ヒトとロボットは関係ない説*1*2
    • プロトタイプカテゴリー*3
      • ヒトには中間を認識することができない。
    • 自身が含まれると「不気味」

http://bp.cocolog-nifty.com/bp/2006/01/hanson_robotics.html

  • 視点を訓練
    • 実証と解釈
    • 量的研究vs質的研究

質的研究方法ゼミナール―グラウンデッドセオリーアプローチを学ぶ

質的研究方法ゼミナール―グラウンデッドセオリーアプローチを学ぶ

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

    • VRはintegrateされた学問。看護学は理系?文系?
      • 質的研究方法の一例
        • 反省した文章をバラバラに→そこから普遍的な構造を=視点の鍛錬
  • 共感的視点と客観的視点
      • 小説を書くのも読むのも
  • 共感と感情移入は違う

虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか

虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか

    • 神と行為者を行きつ戻りつ
  • 視点訓練を高校生ぐらいからすると良いのではないか。

「訓練」するのににVR技術

  • まとめ

「違和感」を感じつつ「視線」「共感」を訓練しよう。

  • プロモーション

日本の科学/技術はどこへいくのか (フォーラム共通知をひらく)

日本の科学/技術はどこへいくのか (フォーラム共通知をひらく)

複雑さを生きる―やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく)

複雑さを生きる―やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく)

『〈境界知〉のダイナミズム』

  • さらに参考になるかも

http://senahideaki.cocolog-nifty.com/
本人による書評。今回紹介したものも入っている。2006年09月07日には今回の講演の元となった『〈境界知〉のダイナミズム』について。

*1:こうではなかったかも

*2:追記:瀬名秀明×櫻井圭記 五月祭特別対談 : INNOCENCEに見る近未来科学 : SCI(サイ)に同じ話があった。

*3:砂山であるかないかを証明できないこと。