『上手なミステリの書き方教えます (講談社ノベルス)』

以下ネタバレふくむ

作家パートに関しては、抑圧した欲望を意識化するという過程であって、完全に精神分析のフォーマットである。ただ、その描写自体には食傷ぎみである自分がいる。そういうのが読みたくて買ったのに、飽きてしまったのだろうか。
最後の「感動必読」は、『太陽の塔』の「ええじゃないか」を思い出した。締め付けから開放されるという意味で共通点があるように思う。
ミステリーとして読むと、「上手なミステリの書き方」を見事に外してミステリを書くというアクロバティックな試みをしている、ということでいいのかな?
三作目から入るという邪道を犯してしまったために、ところどころ分からない描写があった。Intermissionなどかなり意味不明である。次回作が出るまでには、このシリーズの二作品を読んでおきたい。