マンガノゲンバ

テレビ番組でマンガレビューを毎週やっていこうという、おそらく本邦初の野心的な試みである。ちなみに、本であれば、『週刊ブックガイド』というNHKの番組があるし、ラジオでなら『ピートム.コミックジャック』という番組もあったりする。
二部構成で、前半はゲストがマンガの紹介を行い、後半はマンガ家の制作風景を放送する。間にちょっとしたニュースが入る。司会は昨年のライダーで一躍有名になった細川茂樹
初回のゲストは小泉孝太郎で、まず取り上げられた作品は『バガボンド』だった。マンガの紹介はマンガ夜話と同じ形式で、コマごとにカメラフレームで押さえて、ナレーションと科白を適当に入れていく。これはまさに、フレームの不確定性*1を浮かび上がらせる為の作為かと思うほどに、ストーリー以外の作品の魅力を削ぐことになっていると思う。以前から気になっていたのだけど、何かもう少しいい方法はないものだろうか。解説として、甲野善紀が相変わらずなことを言っていた。細川と小泉のやりとりは、聞いていてハッとさせられるような指摘もなく、これを見る時間をマンガを読むことに当てたく思うような内容である。もっと熱く語ってもいいだろうに。小泉の方がコマの中から話すという演出をしていたのは、その意図がよく分からなかった。
間に入ったのは、最近デジタルマンガが増えているというニュース。30分番組の一コーナーであるだけに、どうも寸足らずな印象である。
後半は、『ヘルプマン』の作者、くさか里樹を取材していた。このコーナーに関しては、普段は目にすることができないものを見られるという意味で、続けて視聴しようという気になった。
全体を通していうと、『マンガ夜話』に慣れた人間には、エンターテイメントとしての面白さに欠ける所がある。ただし、後半は興味を持てるマンガ家が出ているときなら、見てみようかと。

*1:映画のフレームに当たるものは、マンガではコマかページか?