「星を継ぐもの (創元SF文庫)」 J・P・ホーガン

最初に出て来て「ようし、これで貴様とおれの一騎打ちというわけか、え?」と宇宙に向けて悪態をつくコリエルが人類の祖先だった訳で、外へ外へと向かう姿勢は先天的なものだ、と無邪気に肯定するのは古典だなぁ、と思う。続編を読んだ人に聞いた所によると、「巨人」という表記は、単に身体が大きかったかららしい。
ここではルナリアンについて、生物学の分野では形態学的な議論ばかりが行われるが、現代だったらDNAを調べてみるというオプションもありそう。
その他、科学的なツッコミ*1はさておき、科学に対するワクワク感にあふれた作品だ、という意味で、間違いなく面白いSFである。

*1:石原藤夫SFマガジン82年6月