「虚無への供物 (講談社文庫)」 中井英夫

犯人は読者です(本当)、みたいな。
ミステリファンである作者が、自身の好きなガジェットを大量投入して、ミステリファンの業の深さを描いた作品だ、と思った。
私はミステリに関してはプロパーまでは行かないので、途中の偶然なのか、連続犯なのかという展開の方が面白かった*1
55年の世相の描写を読んでいると、猟奇事件が多いだとか、今と言っていることが余り変わらないなぁ、と感じた。http://kangaeru.s59.xrea.com/30.htm

*1:だからこそ、四大ミステリーの中では「ドグラ・マグラ」がベストである。