「四畳半神話大系」 森見登美彦

太陽の塔」の人の二作目。丁度、一年ぶりなのね。
形式としては、最初に分岐が一つだけあるノベル・ゲームだと思う。映画に例えるなら、三歩進んで三歩下がる「ラン・ローラ・ラン [DVD]」みたいな感じ。
大学に入学して、「薔薇色のキャンパスライフ」を手に入れる為に、サークルに入る主人公。その前に提示される選択枝は、映画サークル「みそぎ」、樋口師匠への弟子入り、ソフトボールサークル「ほんわか」、秘密機関<福猫飯店>の4つ。とどのつまり、どれを選んでもさして「人生の内実は変わらない」のだが。
前作同様に、読んでいる間中笑いが止まらなかった。これは是非とも新入生に薦めたい本である。ますますサークルの過疎に悩むことになりそうだけれど。
ところで、一応の解決編である「八十日間四畳半一周」は筒井康隆の「平行世界」がモチーフになっている*1。これと全く同じ題材で「いちご実験室―ふわふわショートストーリーズ (講談社コミックスデラックス)」という作品がある。資質の違いって面白いなぁ、という話。

*1:「けけけ」と笑ってみたり