「空中ブランコ」 奥山英郎

「問題精神科」ということだろう。
スラップスティックという点なら、昔の筒井の方が上。
物語は古典的な抑圧理論に基く精神分析。ある意味ロジャースの3原則を踏まえているのには吃驚した。
「義父のヅラ」に出てくる医学部像について少し突っ込んでおく。近年ではアメリカの医学が優位で、ドイツ語は必修ではない。また、神経内科医として臨床を普通にやっている講師が解剖実習に加わることはないだろう。
あと、毎度な感じであるが、クロロホルムの導入には時間がかかる。→ここの76を参照
最後に出てくる「編集王」ちっくな話は、この作品でこのネタを使うなよ、と言いたくなった。