「童貞 (講談社文庫)」 酒見賢一

女上位の社会に生まれた、夏の姒の禹が母殺しという通過儀礼を経て、男上位の社会を作ろうとする話。キャラは歴史に則っている。
結局の所、強がってはみても、妻にした塗山の娘に負けている辺りがこの中篇を意味のあるものにしているのではなかろうか。