「左巻キ式ラストリゾート―ぷにふごEX (パンプキンノベルズ)」 海猫沢めろん

NO!NO FUTURE!
一時期各所で?話題になっていた。ユリイカ西尾維新特集号にも載っていたし。
犯人の一人称は舞城っぽい。といったことは置いておいて、この作品、ものすごくフォント・イラストに凝っている。思うに、イラストーリーなるものが存在するとして、一つの到達点とも言えるのではなかろうか。
具体的に挙げてみる。犯人当てにはイラストが伏線になっている。*1フォントは濃さを変えてみたり、背景に入れたり、外側に「ざわ・・・」を配置してみたり。更には、手書き文字を文中に挿入してあったりする。それぞれこんなことも技術的には可能ですよ、というパフォーマンスではなく、それなりに必然のある演出である。こんなマイナーレーベル(失礼)で出来るのなら、他でもイロイロあっていい、と思うのだが。
こういった演出に支えられた作品であるが、小説として読んでもそれなりに読み応えがある。おそらく、主人公がドアを開けたときに、ふと本から目を離すのがこの作品の一番の醍醐味であろう。
元ネタはさっぱり分からない。SRIはアスカか?

一応断っておくと内容は18禁です。ちっとも扇情的ではないけれど。

*1:とはいえ、100点の回答は誰にも分からないと思う。