「最後の物たちの国で」作:ポール・オースター 白水Uブックス
作者がインタビュー等で言っている通り、現実に基く話だろう。
共有する言葉の減少により、会話が困難になることや、「覘き子平次」みたく他人の物語に押しつぶされそうになったりするあたりは、「寓話」だと思う。
ディストピア小説というには、悲慘さが足りないのではないか。
多分に経済的要素がこの話における暗さの原因なのだから。
さらに付け加えると、最後に今後の見通しを語るのは、「希望」に満ちている。