2005-04-17から1日間の記事一覧

「薬指の標本 (新潮文庫)」 小川洋子

身体に対するフェティシズムに溢れる作品だった、と思う。 そうは言っても、2つの短編に出てくる主人公達には「身体感覚」が欠けている。薬指を切断されても「痛くない」し、身体にかかる破片よりも割れた壺を心配するようなキャラ達なのである。 だからこ…

「絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)」 谷川流

「閉じられた世界」ってのは、「壊れた世界」であって、「馬鹿げた世界」なのであり、「ラストリゾート」でもあるんだろう。 陰惨な雰囲気自体は嫌いではないのだが、それを提示しただけで終わっている、という印象だった。着地点で、もっとメタメタしてくれ…