自分の腎臓を差し出すつもりがないのなら、
移植なんてすすめるべきじゃないわ

  • 背景 

 『週刊モーニング』から『ビッグコミックスピリッツ』に移籍して一冊目の単行本。裏事情はよく分からんけど、この辺りの記事にある金銭面で折り合いがつかなかったという説が一番しっくりくる。元々、『海猿』は『週刊ヤングサンデー』だったわけだし、出戻りである。

  • あらすじ 

 泌尿器科での選択ローテーション。

  • 読み

 最近では診断技術の進歩によって、以前なら見つからなかったような前立腺癌が見つかるようになってきている。加えて、前立腺癌は進行が遅いから、癌の状態と年齢によっては治療しないという選択肢もありうる。つまり、前立腺癌で死ぬよりも前に他の原因によって天寿をまっとうするような場合もあるんである。また、手術で取ること、放射線を当てること、化学療法など治療を行う場合の選択肢も広いが、どれがベストであるとははっきり言えない現状である。その結果、副作用などを考えつつ個々人のケースに合わせての治療*1といったことになる。
 連載が再開したときには、そういったQOLの話をするのかなと思っていた。
 1巻を読む限り、前立腺癌よりは徳島徳州会で世間の注目を浴びている腎移植の話をやりたいみたいである。おそらく、これに斉藤、赤城、皆川の三角関係をからめて作劇していくんだろう。ただ、ここまでぐだぐだしてしまうと、マンガとして面白くないかもしんない。
 とりあえず、表紙絵の自信満々な斉藤先生にはちょっと違和感があった。
 

*1:p87〜