僕僕先生

僕僕先生

絶望って大好きですわ

  • 背景 

 第18回日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作。

  • あらすじ 

 仙人の僕僕先生に弟子入りしたニート青年王弁が俗世から離れて旅に出るまで。

  • 読み

 中華ファンタジーという形式はファンタジーノベル大賞の第一回受賞作である『後宮小説』や第14回優秀作の『戒』など、よく見られるものである。
 そういった作品群と比べると本作の特徴は、主人公がニートで、ヒロインは「少女」のなりをして一人称は「ボク」で二人称は「キミ」の仙人であるという非常にライトノベルっぽい設定だろう。
 つまらなくはないけれど、ファンタジーノベル大賞らしいぶっ飛び具合はなかったかな。選評でいうなら、椎名誠の立場とかぶっている。
 「麻黄、葛根、陳皮」という処方が出てきたが、これは現在用いられていないっぽい。まぁ、唐代の話だし。

  • 作者について

 感想をめぐっていたら、以下のような記述を発見した。

実はクラナドToHeart2のSSを書いたりしていた、ひでさんなのでした。
http://nishi9999.blog24.fc2.com/blog-entry-605.html

 そのSSはこのサイトにアップされていたらしいが、削除されている。だけど、Internet Archiveには残っていた。「表示」→「エンコード」→「日本語(JIS)」で文字化けはもどる。ちょこちょこ読んでみたら、18禁もあったりした。 
 これで、設定の理由が大体つかめた気がする。
 また、『僕僕先生』の原型は以下のようなものだったらしい。

オリジナル小説コンペで1位とった作品を長編に書き直して新潮社日本ファンタジーノベル大賞とった作品。
http://d.hatena.ne.jp/stein/20061123/1164213037

 その時のランキングはこれ
 あと、驚いたのはこのコメント