ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

 『チーム・バチスタの栄光』の続編。今回も東城大学が舞台である。
 無敵に思えた白鳥にライバルが登場したり、「ハイパーマンバッカス」という情けないヒーローが出てきたり、キャラクター小説的な部分は相変わらず楽しめる。
 前回のバチスタ手術の代わりには、音でビジュアルを感じる「共感覚」が出てくる。これはちょっと微妙。リアリティということではなくて、情報密度が足りないんじゃないかと思った。加えて、ストーリーと不可分ではないし。
 あと、ミステリーとしては一応"how"と"who"なのだが、何のサプライズもなかった。

  • 変なところ

 Glasgow Coma Scale - Wikipediaにもあるように、三つの指標の合計点であり、3〜15点で表される筈である。三つを別々に言ったとしても、0点は存在しない。
また、同じように昏睡状態を表す指標にJapan Coma Scale - Wikipediaがあるが、こちらでも230点という点にはならない。

    • p85,6 「人間って大半は水でできているんですってね」「確か八十五%は水のはずですが」

 ここにもあるように、一般的な成人だと体重の60%である。