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- 作者: 方波見大志
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2006/10
- メディア: 単行本
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「ループ」を使わない方法での、「反復そのものの反復不可能性」、「リセット可能な世界でリセット不可能な物語」を実現している。まぁ、そこには装置を故障させることで、無理やり記憶を継承させることにするというちょっとしたズルがあるんだが。
スクールカーストや、あらかじめ説明書を見せてしまう『デスノ』方式など、時事ネタも盛り込みつつ、あくまでさわやかな青春小説にした筆致は良かった。
大きなネタバレ!
- フライハーイした兄=『バタフライ・エフェクト』、装置を捨てるに至った弟=細田版『時かけ』だろう。もちろん後者については執筆時期を考えるなら、それ以前のものを参照したんだろうけど。対比の構図がそこまで上手くいっているとは思わないが、加えることもまたアイディアなのであり、なかなか器用な作家だと思った。