言壺 (中公文庫)

言壺 (中公文庫)

ヒトが世界を認識するには言葉に頼る必要がある。ならば、言葉を操ることで世界を変えることも可能だというのが本作を貫く主張である。
高校のころの私なら一も二もなく飛びついただろうに、なぜかコミットできなかった。別にクオリアがどうこうとかいうのではなくて、身体について考えることが多くなったからだと思う。犬好き監督になぞらえるわけでもないんだが、経験というのは人間を変えるものだな。
こんなこと書きつつ、「わたしを生んだのは姉だった」には萌えた、じゃなくてセンスオブワンダーを感じたのである。