『巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))』ジェイムズ・P・ホーガン

タイトルが良くない。虎たちの星だったら良かったのに？というありきたりなボケはさておき、シリーズ３作目である。
SFっぽさは薄くなりつつあり、権謀術数とかいうのも憚られるような、情けない敵役を騙すだけのサスペンスになっている。
このシリーズを読んでいて思うのは、MMR大好きっ子にはたまらないアイディアがよく出てくることで、今回はヒトが迷信なんかを信じてしまい、文明が進歩しないのはすべて宇宙人のせいだった、という素敵なお話。
これが、社会はなぜ科学をちゃんと受け入れないのだ、という作者の憎悪の発露だったとするなら、作者の分身でもあるハントが、社会的成功者だったジェヴレン人のエージェントを押しのけて、きっちりと最後にリンとくっつくこととパラレルに読めて面白かったりするんだが。