「老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))」小川一水

小川作品をこれまで読んできた中では、「メデューシン」でクラスチェンジして、その方向にレベルアップし続けた中で「復活の地」にまで行き着いたのだ、と解釈していた。
本作では、二度目のクラスチェンジをしたっぽい。これまでの技術者メインの作風とは打って変わって、不条理なシチュエーションに放り込まれた人間が、もしくは生物がどう生き抜くのか、ということが繰り返し描かれる。ヒロインの造形は相変わらずだけど。
変わったとは言っても、どこまでもオポチュニスティックな所は変わらないので、安心して読める。
ところで、「漂った男」はひきこもり生活のことでOK?