「12色物語 (講談社漫画文庫)」 坂口尚

タイトル通り、12本の短編集。
恋人の面影を忘れない為に社会から隔絶してく男だとか、耳の標本に音楽をささげる音楽家だとか、なかなかに強烈な話がある中で、特に異彩をはなつのが「遁走曲」という作品。
溜息をつきどおしで人生に退屈しきった男が、老女から「世界一の自動人形」を購入する。従順そのもので、どんなときも一緒にいてくれるというが、部品を組み立ててみると出来上がったのは主人公そっくりの木偶の坊だった。最終的に主人公は人形を気に入るか、気に入らないか、気に入らなくても諦めるかの3択を迫られる。なんだかあびゅうきょを思い出した。