「ジャイアント(9)<完> (モーニング KC)」 山田芳裕

「世界の野球バカ」の最後の対戦相手が日本人であるのは何故なんだろうか。舞台がワールドシリーズではなく、日本シリーズであっても、無理は生じない筈である。
ここには、パワーのMLBというイメージが非常に大きく影響しているだろう。
話を少し横滑りさせる。「野球小僧―中学野球特別号 (2005年春版) (白夜ムック (174))」で立花龍司が、球速の60%は投げ方、30%は筋力トレーニング、10%は持って生まれた速筋の割合である、ということを言っていた。
この言説に関するエビデンスとして何があるのかは不明である。とりあえず正しい、ということにしてみて、これをバッティングに当てはめてみると、どうなるのか。
メジャークラスなら筋力トレーニングは共通して行っているだろうし、速筋の割合が一番効いてくるとも考えにくいから、「打ち方」が占める割合が意外と大きかったりするように思う。何が言いたいかというと、彼我の飛距離の差は、一般に言われている「筋力」だけなのだろうか?ということ。