「失踪日記」 吾妻ひでお

まず、アズマニア的視点から見ると、吾妻ひでおの自伝として読めるのでポイント高し。「マンガ家のひみつ―とり・みき&人気作家9人の本音トーク」にもあった内容を広げて描いている。
90年代に出た単行本は昔の作品に比べて、線が汚くなっていた印象があった。失踪している間に下手になったのかなぁ、と思っていたけれど、アル中で手が震える状態で描いていたのだから、当然だな。
内容としては、この作品を「無能の人」と比べている書評などを目にするが、あちらはフィクション*1で、こちらは「全部実話」なのだ、ということはファンとしては大切なことである。
この先どうなるのか分からないが、ネタの為に身体をはった太宰治みたくならず、新作を描き続けて欲しいものである。