「ブーンドックス」 アーロン・マッグルーダー

装丁で恐ろしく損をしているように思う。「ブッシュが最も恐れた小学生」って・・・。ゲームラボでの某精神科医の様に、アメリカにも萌えっぽい文法でマンガを描く人がいますよ、みたいな紹介の方が良い、と思うのだがどうだろう。「アホでまぬけなアメリカ白人」と「萌え単」のどっちが売れたか、という問題である(知りませんけど)。
前半の堕落した黒人カルチャーに対する主人公の意見表明は笑える。試みに科白を一つ引用してみる。

もう、うんざりだ。一文無しの恋人のことを歌う女、浮気女のことを歌う男、賞の乱発、ブランド・ファッション・・・。
今、この瞬間から僕は黒人ポップ・カルチャーに敵対する!かっこ悪くて結構!
ここに宣言する。
僕は・・・
オタクだ!

9.11以降の後半は特にブッシュ批判に比重が置かれている。マジになりすぎて笑えない所が多い。
最近のアメリカ事情を知るにはうってつけなのではなかろうか。かなり偏ってはいるのだろうけど。