空の境界」 奈須きのこ isbn:4061823612 isbn:4061823620

上巻に頻出する医学系のタームについて。

p42 話では心臓の左心室から大動脈の中間だというから、2尖弁あたりを刺されたか

http://www.city.naze.kagoshima.jp/HouseCall/encyc/pix/p0331.jpg
2尖弁つうのは、僧帽弁の別名なので、この場合大動脈弁の方が正しいでしょう。


p59 それだけ血がなくなれば酸素欠乏で生命活動が停止するでしょう。でも、この場合はショック死のほうが先だったろうね

http://g-taisha.umin.ac.jp/guide/shock.html
ショックにもいろいろ定義があるわけですが、現在は末梢への血液(=酸素)の供給不足ということになっていますので、トートロジーですね。

  • p195

文章中にもありますが、Devic病は多発性硬化症(自己免疫疾患の一種)で運動麻痺になります。その1ページ前に「運動麻痺を起こしていない」とあるのと食い違っているような・・・。

ここからは、SF読み。
当然、「矛盾螺旋」へのグレッグ・イーガンの影響を指摘するべきでしょう。
臙条巴は、まさに「順列都市」のピーなわけです。

そういえば、裏表紙のあらすじは「俯瞰風景」のネタバレに当たるのではないでしょうか。

最後に、笠井潔の解説は要らんから薄く安くしてほしい。