おおきく振りかぶって」(1) 作:ひぐちアサ isbn:4063143422
なんというか、「野球って本当にいいものですね」って感じの作品。よく調べてあると思うし、掛値なしに面白い。
ストレート談義に関して言うと、三橋の「まっすぐ」は、他のピッチャーと比べて、より上向きの角度で投げるバックスピンストレートなのだろう。でもそれって球離れが早いってことにはならないだろうか。そうすると必然的に「伸び」はなくなるしなあ。正直な所、この「魔球」の説明にはイマイチ納得できない。
あと、一箇所だけ瑕を指摘。p173の田島の立ち位置間違ってます。

2005/01/27 追記)
三橋のストレートで来る人が結構いるので。おそらく、いしかわじゅんのコラムを読んでであろう。あの説明は少しおかしい。
まず、この話はISBN:4583035071、ということを指摘しておく。

>腕は、単純に真っ直ぐ振り下ろすと構造的に捻れてしまう。
意識の中で腕をまっすぐに振り下ろしても、同時に前腕の回内(肘から先が内側にひねられること)が起こるのが物理的・生理学的な必然であるということ。ここの左下の写真を見れば、よく分かると思う。

>だから、真っ直ぐに振り下ろした腕から投げられるボールは、実は捻りの加わったボールであって、ストレートではない。
ここが少しおかしい。
完全なバックスピンストレート(回転軸が地面と平行で、進行方向に垂直なボール)を投げようとするなら、ボールと手が離れるタイミングは一点しか存在しない。それを習得することが、おお振りで言う所のストレートを習得する、ということなのである。
逆に、そのタイミングがずれると回転軸がずれてしまう。より速ければスライダー回転、遅ければシュート回転をしてしまうのである。