「おおきくなりません」 作:白倉由美 isbn:4062113961
私小説であるから、現実との比較をすると結構面白い。「冬の教室」とか「物語の体操」なんかがそのまま「引用」されてるし。メンタル系の薬の名前が良く出てくる裏にはこんな個人的な事情があったのかと驚かされた。ただ、これは脚色なのかもしれないけれど。
もしかしたら「文学」をよく読む人なら元ネタが分かってうれしいのかもしれない。私はそれっぽいということしか分かりませんでしたが。
純粋に物語として見るとこの小説が「成熟すること」に関する物語だということは、タイトルからも分かる。ただ、作者の成長が、主人公である内縁の夫にトラウマを発見して貰い、物語を紡いでもらうことで成し遂げられたというのは、なんというか「あっそう」ってな感じでどうも・・・
というわけで、鶴田謙二のカラーイラスト1枚とモノクロ4枚、そして週刊誌的な情報に500円払ったと考えることにする。