1. 「楽園の知恵 あるいはヒステリーの歴史」作:牧野修 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション

短編集。「想像できぬことを想像すること」で成り立つ世界を体験することは、甘美である。
沼正三を思わせるような異形のでてくる短編やら、筒井康隆っぽい「インキュバス言語」、そしてギャクに恋愛ものと内容は多彩なようでいて、随所に牧野らしさが出ている。
つうか、牧野のギャグや恋愛ものを読んだことがなくて、結構驚いた。
実は、「傀儡后」と「かまいたちの夜2」しか読んだことがなかったり。
で最後に「付記 ロマンス法について」という一寸違った書き下ろしが入っている。
「傀儡后」のあとがきにもあったように、だって好きなんだもんという作者の宣言だろうと思う。
このまま、この路線を突っ走ってもらいたいものである。