「復活の地」(1) 小川一水 isbn:415030761x

タイトルは間違いなく「復活の日」からだろうと思われる。向こうはウイルスが如何にして人類を滅ぼしかけたか、という話なのに対して、こちらは、大地震によって、社会がどう影響を受けたのか、という話。
敢えて言うなら災害「復興」モノとなるのだろうか。あまり類似した話を読んだ記憶がないので、新鮮であった。
おそらく阪神・淡路大震災関東大震災あたりからの情報がふんだんに盛り込まれていて、そのあたりは今回も小川節全開である。
まだ話が始まったばかりであるが、今後「銀英伝」っぽくなり過ぎないと良いな、と思う。

 「彼は花園で夢を見る」 よしながふみ isbn:4403615589

「彼」(=男爵)を中心として、少しずつ繋がりのある短編集。
表題作について。当初は無表情の男爵の妻ラウリーヌ。それが感情を表に出せるようになったのも束の間、男爵の元恋人で、殺されてしまった妹のことを言われて男爵と目を合わせられなくなる。そして、最後に男爵がラウリーヌを疑ってしまうシーンは圧巻である。