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- 作者: 西尾維新,take
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この歴史は間違っているんだよ
- 背景
弥生。
- あらすじ
次なる目的地は出雲。千の刀を持つは巫女。
- 読み
序章に出てきた謎の会話に、七花が人間でありながら刀であることの問題点など、「映画の8シーケンス構造」で言うところの「3.主要な問いかけ」が出てきた巻だったように思う。
【1幕目:オープニング(全体の1/4)】
1.主人公、世界観、現状の紹介と、最初の事件。
2.最初の事件に対する主人公の反応。テンションが徐々に上がっていき、最後に主要な問題が持ち上がる。
【2幕目:本編(全体の半分)】
3.主要な問いかけ(この映画で解決すべきこと)が提示される。3番目に大きな障害を乗り越える。
4.2番目に大きな障害を乗り越える。シーケンスの最後に希望が芽生える。
5.小休止。主人公たちキャラクターの内面が語られる。
6.最大の障害を乗り越える。だが、シーケンスの最後に新たな問題が持ち上がる。
【3幕目:エンディング(全体の1/4)】
7.最後の対決。できるだけ意外な(でもちゃんと前半で伏線の張られている)展開があること。
8.解決。物語の終了。
はてなブックマーク - 堺三保の「人生は四十一から」ロサンゼルス映画修行篇: 映画のシーケンス8分割法
ということで、次は日本最強の剣士との対戦なわけだが、最強の敵ではないんだろうと予想してみる。
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東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)
- 作者: 東浩紀,北田暁大
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/01/27
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同じようなことは全国の地方都市で起こっている。「古きよき、ひとのきずなを残す地方」なんていうのはまったくの幻想で、便利な郊外型量販店ができれば、田舎のひともバッと飛びつくんです。地域共同体というのは、ジャスコ的なものに対する防波堤にはなりえません。
- 背景
東京以外の場所から考えるためにも、東京から考える方法を知るのは大事だろうと読んでみた。
- 読み
東京から考えるときに、何を考えるのか。グローバライゼーション、ファスト風土化、ジャスコ化などなどいろんな呼び方がある現在進行形の現象についてである。人間的多様性を許容し、利便性を向上するために人間工学に基づいて作られる街には個性がない。東はそれを問題なしと言い、北田はそれを問題があると捉えたいと言って、解釈が分かれている。
東京に住んだことがない私のおおざっぱな東京地図は、バスターミナルがある新宿があって、山手線で東の方に行くと、古本とカレーの神保町があり、そこから少し歩くと、東京ドームと秋葉原がある、といった程度である。だから、Ⅰ〜Ⅳ章の各論は聞いたことのある町の名前は出てきても、あまり実感がわかなかった。特に、ジャスコ的な町とはまた違った軸としてのシミュラークル・シティ/広告都市/「青葉台-渋谷」ラインというのは一体どんなもんなんだろう*1。
逆に、引用した文にもあるように、映画を見るにも、服を買うにも、食事をするにも、運動するにも何でもジャスコなのが私の実家のある地方都市である。郊外店が進出してきて、インターネット網が整備される前にそういった町で過ごしていた頃、「外」とのつながりは雑誌やラジオしかなく*2、「外」へ出られたときには喜んだものだった*3。
そこから10年弱でおたく的コンテンツへのアクセス状況は急速に良くなった。今でもイベントには参加しにくいという鬱屈*4が存在するのは事実。これは交通網が更なる発達を遂げてもなかなか埋まらない格差だろう。でも、「もの」に関してはアマゾンやその他同人ショップの通販、オークションなどで金の問題にさえ目をつぶれば埋まらない格差ではなくなってきている。また、ファイル共有などの手段*5によって、金銭さえ必要とせずに手に入れることも可能ですらある。
ことここに至ると、私の今のライフスタイルでは、ネットと通販さえあれば大方まかなえてしまう。
なにが言いたいかというと、都市とはまた違った位相であるインターネットによっても、均質化/グローバライゼーションは起こっているってことである。私個人の立場からは、都市がジャスコ化しようとしまいと、どちらでもいいんだけど*6、現状の持続可能性は望むとまぁ、そういう話。